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生まれて初めて車の免許をマレーシアでとった話①

なぜかわたしは昔から確信していた。

わたしが車の免許を取ること、それすなわち「殺しのライセンス」を持つことに他ならないと。

運転したら、必ず人を殺めてしまう……私の殺しの才能が開花してしまう……

いけない わたしの才能を目覚めさせては。世のため、人のために、わたしはそれを手に入れてはいけない……!!

そうして44歳の今まで、何とか殺しの道には足を踏み入れず平凡に生きてきました。

しかし、その田舎の中年女の平凡な日々が、つい昨年終わってしまった。

わたしは、とうとう、手に入れてしまったのです……「殺しのライセンス」を……。

マレーシア、ペナン島の自動車教習所に行く

ゆまちゃんは日本で車を運転していましたので、マレーシアに来る前に国際免許をとっていました。

運転好きのゆまちゃんは、移住して数カ月目にマレーシアの国産車「プロドゥア」のマイヴィを購入。

国際免許の更新に毎年日本に帰るのが面倒で、またこのコロナによる行動制限で帰国が難しくなったため、マレーシアでの免許習得を決心。

ペナン島(せまい)にはいくつか自動車教習所があるのです!

そして一人で行くのが嫌な彼女はわたしに、しつこく しつこく しつこく

「これからまた国を移動するのに、田舎では車乗れないと死ぬよ~!乗れて当たり前なんだよ~!お金は出すから、一緒にとろう!これは未来への投資だよ!!」

と、なんども なんども なんども なんども、説得し、とうとうわたしは重い腰を上げ(てないけど引きずられ)、一緒に免許を取ることになったのでした。

ああ、さようならわたしの平凡な幸せの日々よ……

さて、実際お世話になった教習所の詳細(場所、値段等)はおそらく多くのペナン在住者の方たちがブログで的確な情報を公開してると思うので私は省きます。

※具体的に聞きたいひとは、コメントとかTwitterでこえかけてね!

殺し屋の養成所、初日は座学

朝8時半から集まり、一日で計6時間の講習を受けます。座学は、この1日のみ。
ぶあつい、マレー語のみで書かれたテキストブックを買う必要があります。(値段忘れた。高い。イラストくらいしか参考にならない)

ひたすら動画をにらみ続ける数時間

どうやら外国人向けの英語クラスがあったらしいのだが、その声かけの英語自体がまったく聞き取れず半日マレー語の講習をうけてました。

もちろん何言ってるかわかってなかったです(笑)

その時貰った書類もマレー語のため、いくら 目を凝らしても意味不明(泣笑)

おっそろしい事故例の動画だけはわかりました(あたりまえ)。
人がとんどるやないかい…….

…やはりこれは殺しの養成所に間違いない。

午後から英語クラスに移動しましたが、ぶっちゃけ英語でも70%理解不能でした。それでも一日の講習を受けたら、次は知識のテストです。

なんにもわかっていないまま、テストです。

さすが、殺し屋まで、一直線です。

知識テストまでの準備(めっちゃ勉強)

結論、テストに受かるため重要なのは座学より自主勉強でした。

教習所で、販売している試験対策サイトのログインIDをRM10=250円(当時)くらいで購入。

ログインすると、マレー語、中国語、英語と表示を選べ、試験に出る問題と回答が500問並んでます。

このうちの50問が本番に出ると。

ご親切にシュミレーションテストを10回やれます。それで全問勉強できるわけです。

やりましたとも、テストを二週間くらい先に予約して当日まで毎日毎日。

パソコンに向かい、聞いたことも使ったこともない英単語を逐一調べながら!

特に違和感あったのは、「Vehicle=車両」「Rear=後方」です。

Car でいいやん!Backじゃあかんのぉ?

テスト当日の持ち物に「免許証用の写真」があったので、フォトスタジオを探しました。

日本みたいに自分でサクッと取れる例のプリクラ機みたいなやつは、マレーシアにはないです……。

過去のペナン関連ブログを探し、書かれている写真スタジオを探しに行きましたが、古い情報すぎて 見当たらず。

たまたま目の前にあった「タクシー事務所」のおばあちゃん(マレー系)にこのへん写真スタジオないですか?と聞くと、

タクシードライバーのおっちゃんに聞いてくれ、さすが地元を知り尽くしているドライバー

「その道真っ直ぐいったらコロンビアホテルの裏にあるよ!」とのこと。

Grabとかの配車サービスは盛んになったけど、こういう目的が決まっていないときにはドライバーの地元の知識には価値あるなあ~って思いました。

たとえば、ネットでおいしい店探すと、有名な観光地のお店しかヒットしない。

でも、タクシーに乗って、ドライバーに「近くのローカルに人気の〇〇がおいしい店どこ?」って案内してもらった方がローカルの情報に近いんじゃないかとおもったりした。

さて、おっちゃんの言う道の先には…、

あ!「コロンビュー ホテル」がある!!これかー!(つ∀`)アハッ

ききまちがーい!

裏には確かに昔からあるレトロな写真屋さんがありました。

おじいちゃん二人で経営 着て行ったシャツが白い!背景に同化する!と埃ぽいジャケットを着させられた(笑)

「免許証用の撮ってー」とお願いしました。1人(4枚)RM16=約410円 

撮影終えたらちょいと待ちます。

めっちゃ美人にトーン補正してくれた(笑) おっちゃんありがとー!

殺し屋の養成所、第一関門知識テスト

テストの実施場所は教習所とは異なります。

当日、会場の住所はわかっていたものの、とにかくわっかりにくい入口で。会場の真ん前で迷ってました。 

……この 細い階段の横の張り紙「MYEG」が目印です…… わかるかーーーー!

ここで1人ずつ、パスポートを提出し、指紋をスキャンされ、順番を待ちます。

さすが殺し屋を登録してるだけのことはある……厳しく管理されているな。

お金を払い、写真を撮られ、1人ずつ写真奥の部屋に通され、指定されたデスクで、バラバラに開始します。

ここで待つ ここのトイレが超難易度高いので、必ず行く前にすましておくこと

 

デスクに座り、テスト画面にログインしてから時間のカウントが始まります。

持ち時間は45分あり、完了するには充分。

全部で50問のうち、合格レベルは42点。

10回やったシュミレーションテストでは、PASS6: FAIL4で際どいところでしたが……

本番は、50問中 45点~!!

無事PASSしておりました!!

うひょー

正直このテスト、交通ルールの知識テストと言うより、英語能力が職場内最低レベルの私には、英語のテストでした……。日常会話に出てこない単語ばかりで、すんごい困惑した。

しかも!

テストで気づいたけど、試験対策サイトの英語表現が、試験のとはちがう!!

微妙に表現変えてきてる!!(日本語でもあるじゃん、意味は一緒だけど表現が違うとか言葉が違うとか)

わからん単語は、文脈の雰囲気で回答してるものも多かったけど、何とかなった

……‪( ´•̥  ̫ •̥` )‬ ヨカッタ……

殺し屋の養成所、初めての実習

驚きなんですが、マレーシアの免許は超高速で取れます。

日本だと、最短コースは合宿で毎日みっちり練習して二週間てとこでしょうか?

(よくシラネ にわかカップルが沢山誕生するってことくらいしか)

それが、マレーシアは受けるべき 実技の練習がトータル16時間 です。

1コマ2時間。一日に4コマの枠があり予約制。

なんなら、二日びっしり4コマ予約したらそれでおわりです。(ついでに言うと、教習所の費用もトータル約6万!!です!日本の1/5じゃん!)

後は、試験前日のグループレッスン(ミスの多いポイントの復習をさせてもらう)に出て、実技試験を受けるだけ。

えーーーーーーはやすぎぃいーーーー!

こりゃもう殺しの道まっしぐらじゃん!!(まだ言う)

わたし達は、一日2コマ、仕事の休みの日に週2日、2週間にわたり予約を入れました。

(途中でペナン島に行動制限が出て、行けるかわからず予約を延長したが)

マレー語で書いてあるから、書類はたいてい受付の人に聞きながらやります これは予約したスケジュール表 ※ゆまちゃんの手に巨大な絆創膏が貼ってあるのは海の岩場で滑って転んだせい

練習の流れは、受付でナンバーを貰い、オートマ専門の集合場所に移動。

ちなみにオートマとマニュアルの比率は3:7くらいで、マニュアルの人が断然多いです。

家の車がマニュアルだからそれを運転するためにはマニュアルをとらないと、、、って人が多いぽい。

たくさんの教習生と共に順番を待ちます。

コーチの人数は限られていて、担当性とかではないので60パーセントは待ち時間です……。

(暑い)

特に外国人はマレー語が通じないので、対応できるコーチも限られてくる。

わたし達の職場は、英語ができて当たり前(わたしが特殊にできないだけ)なので気づきにくいけど、マレーシアでも英語を話せない人はたくさんいる。

コーチは私たち二人に「運転初めて?」と聞くが 初めてだからここにおるんじゃーい!と脳内でツッコミたかった。

が、もちろんゆまちゃんは、国際免許も持っており車も持ってる。外国人にはそういう人の方が多いようですね。

順番待ちして、英語が話せるコーチが戻ってくると、ハイ次!と乗車するようよばれます。

英語は話せるはずですが、それでもやっぱり指示がわからない……ことも多く、あまりにわたしが、「???」って顔してるのでしまいには絵に書いて説明してくれる人もいました。

トータル8コマ、車の運転は何回やっても嫌で、となりからハンドル操作されるのも、

ミスするたびに細かい指導されるのも、いやでいやでぜんっぜん運転は楽しくなれなかったです。

なぜ運転席から撮影できてたのかなぞ おそらく練習ポイントの順番待ちだと思われる

しまいには一人で教習所内走らされてるときは、ちんたらちんたら走りながら、

「もおやだーかえりたい!つかれた!つかれたーーーーー!たのしくないっ!やめたい!! 」

って叫んでました。

あと、一人の時は本気でしくしく泣いてた。

(どんだけ運転がいやかおわかりいただけただろうか)

こじんまりした教習所だが緑が多く、環境だけはとても良い 車に乗らなきゃ素敵な場所なのに……

運転はぜんぜん好きになれなかったけど、走行中コーチとつたない英語どうしで話すのは楽しかったです。

特にマレー系のコーチは、自分の英語には自信がなく(マレー系の人はマレーシアのマジョリティであるため英語の必要性が中華系の人より低い)、そのため外国人のわたしと会話でうまく意思疎通できなくてもお互い、(自分の英語が下手だから……)って謙遜しあう空気になるので楽でした(笑)

カタコトの英語で食べ物の話、日本の話、知ってるマレー語などの話をするんですが、おしゃべり好きのわたしにはそれだけは楽しかったです。

食べ物:マレーシアの好きなローカルフードの話 ラクサ、ドリアンが好きと話すとウケる。

日本の話:やはり人気アニメの話題が出ます NARUTOとか、ドラえもんとか。あとはホンダ(笑)

知ってるマレー語:マレー語の「alamak:アラマッ」は日本語でも同じシチュエーションで同じ言葉使うよ!っていうと盛り上がる。

練習の走行中、うまくできなくてずーっと、「なーばす……あいむ そーなーばす……」って泣き言いっては、年配のおおらかなコーチに「Take easy~slow,slow na!」 って慰められていました。

わたしいつもアクセルをがちんと踏んでしまうので、それを何度も、

「ゆーーーっくり踏むんやで、あんたはできてるけど、アクセルを急に踏みすぎやねん。」

って指導されてました。(若いにーちゃんコーチはたいてい やれてるやれてる!できてるできてる!ってテキトーな感じ)

そんなこんなで、とうとう16時間の練習を終え、おそろしいことに実技試験への準備となったのです。

(そのうち60%は待ち時間として、実走時間たったの6.4時間ですが!?いーの?ホントにぃ?)

力尽きて、つづく……